トップページ > 過去の公演 > 第7回公演「大人になって、好きになった」

第7回公演「大人になって、好きになった」

脚本と演出/田岡美和

出演/
金子裕紀
上之門宏美
丸山真

2008年3月21日(金)〜23日(日)

東松原ブローダーハウス

脚本の一部をご紹介します。

 夏の午後、夕方寄り。一軒家のひと部屋。和室風。誰もいない。ちゃぶ台。中くらいの段ボール箱、布がかけてあって中は見えない。

そこへ、若い女が入ってくる。後に登場する弟の姉である。軽装、手には夏素材の手提げかばん。小さめの白いレジ袋も提げている。ゆっくり中へ進み、いろいろ眺めながら、箱に気づく。しばらく見つめている。やがてちゃぶ台に近づき、座る。レジ袋の中をちゃぶ台の上にあける。何種類かのチーズ。なんとなく並べて確認してみる。

と、隣の部屋から、弟ではない男が現れる。

女は固まる。

男:
おや。
姉:
……???
男:
…ああ。そうか。いらしてたんですか。
姉:
……?
男:
…あれ、おひとりですか?
姉:
…、あの、
男:
ま、じゃ、私、ちょっと出てきますから。(出て行こうとする)
姉:
…ちょっと!
男:
ええ、ちょっとそこまで。
姉:
そうじゃなくて、
男:
あ、ジン君ならじき戻ってきますよ。川上さんとこ行くって、言っといて下さい。
姉:
いや、あのね、
男:
洗濯ものは取り込んでやってますんで。(さらに出て行こうと)
姉:
…待て!ちょっと待て!
男:
(聞いてない)鍵はかけませんから…
姉:
待てぇ!いいから待てっ!
男:
はい?
姉:
…あんた誰?
男:
ああ。あーどーも。
わたし、ヤマダヤマオです。

ふたり、見つめあったまま、少し間。
姉、静かに立ちあがり、

姉:
えーと、110番…(奥の部屋へ行こうと)
男:
ちがーう!違います!

…以下略